コウです。
私は2018年7月独学で認定ファシリティマネジャー資格試験に一発合格しました。
認定ファシリティマネジャー資格とは何なのか、私が資格取得した経緯や勉強法について書いていきます。
目次
認定ファシリティマネジャーとは?
認定ファシリティマネジャーなんてあまり聞いたことがない資格だと思います。
教科書的には次のような定義です。
企業・団体等が保有又は使用する全施設資産及びそれらの利用環境を経営戦略的視点から、総合的かつ統括的に企画、管理、活用する経営活動
昨今ニュースとなっている老朽化施設の耐震化・長寿命化対策や地球環境問題対策、IoTなどの情報化社会への対応など、企業等が保有する資産(建物や工場など)とその利用環境(細かくはオフィスの座席の配置まで)を総合的に考えていく活動となります。
私がこの資格の存在を知ったのは、仕事で公的施設の長寿命化対策に関わったことがあり、今後の公的施設の統廃合や更新計画について体系的に勉強したいと思い調べたためです。
認定ファシリティマネジャーという資格があることで、何か独占的な仕事があるわけではありません。
しかし認定ファシリティマネジャーという資格があることで、今後企業等で重要な課題となる資産管理についての専門的な知識を有する者として仕事の幅を広げることができます。
試験の合格率は44%
認定ファシリティマネジャー資格試験の合格率は近年は44%になっています。
受験者数は1,000人前後であり、約半数の人が合格するので難易度としてはそれほど高くはありません。
また、勉強方法も専門的な予備校があるわけではなく、「NOPA 一般社団法人ニューオフィス推進協会」というところが試験対策講座を実施していますが、ほとんどの人が独学で合格する試験です。
試験対策講座のサイトは下のバナーから確認できます。
試験はマーク式3科目・論述1科目。マーク式7割以上の得点率を目指そう
2018年から試験内容が少し変わりました。
2017年までは①FMの概論②FMの実務Ⅰ③FMの実務Ⅱ④論述と区分されていました。
2018年以降は必須教科書として「公式ガイド ファシリティマネジメント」が指定され、それぞれの科目の出題範囲と公式ガイドの対応箇所がリンクするように決められています。
出典:2019年度認定ファシリティマネジャー資格試験受験案内書
合格基準は公式には発表がありません。
私が受験したときの周囲の話では、マーク式科目での得点率が65%以上の人が論述科目の採点を受けることができ、合格が決まるということでした。
近年の合格率が44%で一定となっているので、明確な得点基準というものはないと考えられます。
受験生全ての論述回答を採点するには時間と人件費がかかるので、マーク式科目のボーダーラインを超えた受験生が論述科目の採点が受けられると考えてよいと思います。
そのため、マーク式科目では余裕を見て70%の得点を目標にした勉強により、合格に近づくことができます。
勉強時間の目安は100時間
私は仕事から帰ってきた平日の夜に勉強していました。
5月に勉強を始めて試験を受けたのは7月だったので、勉強期間は約2カ月。
1日だいたい1.5時間勉強し、試験直前の2週間は土日も1日5時間ほど勉強しました。
勉強時間をざっくり計算すると
1.5時間/日 × 5日/週 × 8週 + 5時間/日 × 4日 =80時間
私はファシリティマネジャー試験の中でも財務関係の問題はすでに学習済みだったので、全くの初学者の方は少し余裕を見てトータルで100時間くらいが勉強時間の目安になります。
独学で合格するための勉強法3つのポイント
合格するための勉強法について、実体験を踏まえてインプットとアウトプットに分けて解説します。
インプット 公式ガイドをとことん読み込む
合格するための勉強の第一は公式ガイドを読み込むことです。今はこちらの一冊だけを徹底的に読み込めばOKです。
私が受験をしたときは、参考書は3冊ありました。
- 「総解説ファシリティマネジメント」2003年刊行
- 「総解説ファシリティマネジメント・追補版」2009年刊行
- 「ファシリティマネジメントキーワード集2016-2017」
「総解説ファシリティマネジメント」と「総解説ファシリティマネジメント・追補版」は内容が古く、用語の辞書的な活用方法しかできないと考えたため、「ファシリティマネジメントキーワード集2016-2017」だけを使ってインプットの勉強をしました。
キーワード集といっても単なるキーワードの羅列だけではなく、ファシリティマネジメントの基礎から、キーワードを核としながら分かりやすい説明をしている書籍だったのでインプットとしてはこれ1冊で十分でした。
キーワード集の中でどうしても分からない用語についてはインターネットで調べました。
今はインターネットで何でも調べることができるので、調べたい用語を絞って探せば詳しく解説したサイトが出てきます。
今は私が受験をしたときの3冊をコンパクトにまとめた「公式ガイド ファシリティマネジメント
全部で440ページとかなり分厚い内容ですが、この1冊でファシリティマネジメントの基礎から最新の動きが網羅されているので、とことんこの1冊を読み込みましょう。
アウトプット①マーク式問題 過去問を実際の試験時間内で解く
インプットが出来てきたら実際の問題を解いてみましょう。
問題集は「認定ファシリティマネジャー資格試験問題集 -2021年度版」という公式のものがあります。マーク式試験のアウトプットはこの問題集を何回か解くだけで十分です。
ネットショッピングではAmazonのみ販売されています。
問題集は過去4年間分の過去問と解答・解説があるので、一度実際の試験時間内で解答を行い自分の実力を測りながら、出来なかった問題を重点的に復習します。
マーク式試験対策はこの1冊で十分ですが、論述問題については別途対策が必要です。論述問題については過去4年間分の過去問と解説は載っていますが、肝心の模範回答が載っていないからです。
アウトプット②論述問題 過去問の模範解答の論理展開を学ぶ
論述問題はどのような解答が合格に近いのか知ることが合格のカギとなります。
公式の解答例のようなものは公表されていません。
私は「ファシリティマネジャー試験論述対策 Kindle版」を使って勉強しました。
これは、2013年に刊行されたもので少し古いのですが、これ以外に模範解答となるようなものがないのでこちらで勉強しましょう。価格はたった430円です。
内容は過去5年間の論述問題と解答例・解説になります。
論述問題は実際に過去問を解くだけでなく、解答例を見ながらどのような論理展開で解答を作成していくのか練習することが大事です。
こちらの本はKindle版でのみ購入できます。Kindleのアプリは無料でダウンロードすることができます。
費用を節約したい方はkindle unlimitedを利用する方法があります。
kindle unlimitedは30日間の無料体験があるので、無料体験期間に論述対策本を読み、30日以内に解約すれば費用はかかりません。
まとめ
試験対策のポイントは次のようになります。
- 認定ファシリティマネジャー試験は独学で対応可能
- 勉強時間は100時間が目安
- インプットの勉強は公式ガイドだけで十分
- アウトプットは公式過去問題集と、論述対策としてKindle版の論述試験対策を活用する
認定ファシリティマネジャーの活躍の場はこれから広がっていくと思うので、ぜひ資格を取得して今後の仕事に生かしてください。