ユウリです。
私は新卒で入った会社で12年間正社員を続けているワーキングマザーです。
橘玲さんの本は「黄金の羽根の拾い方」を読んだことがあり、知的な文章と鋭い分析が好きです。
ネット上で炎上した「専業主婦は2億円損をする」という本を読んでみたので、感想を綴ります。
目次
「賢い女子は専業主婦にならずに生涯働き続けよう」という人生指南本
この本のターゲットはJK~20代前半の女性
内容をめちゃくちゃ要約して説明すると
専業主婦になったら3億円ドブに捨てるようなものよ。賢い女の子は一生働き続けよ!
というものです。
より詳しくネタバレしますね
本書には幸福に生きるロールモデルが提唱されています。引用しますと
- これからは専業主婦はなにひとついいことはなくなる
- 好きな仕事を見つけて、それをスペシャルな仕事にする
- スペシャルな仕事をずっとつづけて生涯現役になる
- 独身ならソロリッチ、結婚するならダブルインカムの「ニューリッチ」を目指す
- フリーエージェント戦略で、カッコいいファミリーをつくる
これからは専業主婦はなにひとついいことはなくなる
本書の内容の7割は「専業主婦がいかに不利か」といったことを、あらゆる方面から説明しています。
私がとくに印象に残った部分を箇条書きで書き出してみます。
- 先進国では専業主婦は絶滅危惧種である
- 専業主婦の税金や社会保障の優遇措置はいずれなくなる
- 幸福とは自由(自己決定権)のことであり、そのためには経済的に独立していなければならない
- 「賢い男子」に選ばれたいと思ったら「賢い女子」になろう
- 婚活では「共働きでわたしの収入も加えれば、今よりずっと楽しく暮らせるよ!」とアピールするとよい
- 専業主婦はじつはものすごく孤独
- 正社員のキャリアを絶ってしまうとパートか非正規の仕事にしかつけない。そのうえ家に帰れば家事も育児もすべて一人でやらなければならない
- 専業主婦とは子育てを専業にする女性のことで、子育ては母親一人の責任になっている
- こどもへの責任を一身に担わされる母親は追い詰められている
- じつは子どもは社会の中で育つので、親の努力はほとんど無駄
これからの日本の幸福なロールモデルとは共働きのニューリッチ
専業主婦がどれだけ割に合わないかを説明したうえで、
いまの日本に必要なのは、 「はたきながら子育てでるし、こんなに幸福に暮らせる!」というロールモデル(理想像)です
という提唱があります。
本書では、
子育ては外注し、好きなこと・得意なことのスペシャリストになりフリーエージェントになるという戦略を提案しています。
結論としては、生涯共働きを超える人生設計はないということ。
ダブルインカムのニューリッチを目指すべしとあります。
ニューリッチとは本書によれば以下のような人たちです。
ニューリッチは経済的に恵まれていますが、購入ブランドや高級車、豪邸や別称には興味がありません。アルマーニを着て三ツ星レストランに行くよりも、ユニクロで近所のビストロに行って夫婦でおいしいワインを飲むとか、豪華クルーズよりも子どもたちと山に登って自然に触れるほうがいい、というひとたちです。
それぞれの仕事は忙しいでしょうが、会社に縛られるわけではないので時間の融通がききます。子どもが生まれても、お互いの仕事の都合に合わせて家事や育児を分担しているのです
事実が淡々と述べられた本であって専業主婦批判ではない
本書は専業主婦批判の本ではなく、事実を淡々と述べた本でした。
現時点で専業主婦をしている人が読むべき本ではなく、若い女性が人生の指南書として読むべき本なんですね。
ただ、読み終わったとは本当に橘玲さんが書いたの?と疑問に思いました。
Amazonにも「AIに書かせたんじゃないか」というレビューがありましたが、なんだかそんな印象を受けました。
橘玲さんの本はいつもグサグサッと鋭く心に響く本が多いものですから。いつもは刺さりすぎるくらい鋭い文体なのに、なんか違うんですよね。
あとがきを読んでわかりましたが、この本はマガジンハウスの女性編集者さんの企画で、女性ライターさんが書いた原稿をベースに橘玲さんが書きなおしたものだそうです。
なぜ専業主婦批判の本を男性である橘玲さんが書いたのかというと、
女性が書くと”わたしはこんなにがんばった”という話になってしまい、それだと共感できない
とありました。
ただ、あまり実体験や書いた人の思いがなく、淡々と事実を述べた文章が続くので、共感がしづらい本でしたね。
タイトルはかなり煽っていますが、内容的には感情的ではない文体で事実が書いてあると思いました。
わが家は生涯共働きを実践中です
ちなみに、わが家はこちらの本の提唱する共働き夫婦です。
夫がフリーエージェント、妻が正社員という組み合わせです。
夫は専門的な資格があるのでフリーエージェントになったのですが、私は特別な知識がないので会社に属してサラリーマンをやっています。
家事と育児は、妻40、夫60で分担しており、家にいることが多い夫の方が負担が重めです。
私は性格的に家にいるのが向いていないので、育休中のプチ専業主婦ライフですらかなりしんどかったです。働いている今の方がずっと幸せを感じています。
夫も「ユウリは絶対に専業主婦は向かない」と言い続けており、私が定年まで働き続けるものだと考えているようです。

本書が提案する生涯共働きという最強の人生設計を実践しているということになりますね。
生涯共働きというライフスタイルは今の時代において合理的な選択だと思っているので、私自身も実践中です。
