こんにちは、ユウリです。3カ月間独学で勉強して、平成27年保育士試験に一発合格しました。経験を活かして保育士試験の合格のコツをブログに書いています。
今回は、筆記試験「保育原理」です。保育原理の出題傾向と合格するための勉強のポイントをまとめました。
目次
保育原理の出題傾向を過去問から分析する
平成28年前期「保育原理」の問題は以下の部分から出題されていました。
- 保育所保育指針に関する問題 9問
- 事例問題 5問
- その他 7問
合計 20問
保育所保育指針の内容を問う問題が全体の50%を占めます。事例問題が5問ありますが、これは過去問でコツをつかめば正答できる問題です。
保育所保育指針をマスターし、事例問題のコツを掴んでおけば保育士試験のボーダーライン6割は超えてくるでしょう。保育原理は合格しやすい科目といえると思います。
「保育原理」に合格するための効率的な勉強法
保育の原理の出題傾向は分かりましたね。
- 保育所保育指針の内容を問う問題が全体の約半分
- 過去問でコツを掴めば解ける事例問題が5問
- その他の暗記問題が7問
でしたね。それでは、この3つの傾向を押さえた対策を考えてみましょう!
保育所保育指針は「読む、解く、読む」でマスター
保育所保育指針は確実にマスターしておくべきところです。なにせ全体の半分はここから出ますからし、他の科目でも出題されるので、保育士になるなら絶対知っておかなければならないところですね。
こちらは平成28年度保育士試験の過去問題です。このような用語の穴埋め問題がたくさん出ます。
問2 次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の(3)「保育の環境」の一部である。(A)~(D)にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
保育の環境には、保育士等や子どもなどの人的環境、( A )や遊具などの物的環境、更には自然や社会の( B )などがある。保育所は、こうした人、物、場などの環境が( C )に関連し合い、子どもの生活が豊かなものとなるよう、次の事項に留意しつつ、( D )に環境を構成し、工夫して保育しなければならない。
(組み合わせ)
A B C D
1 保育室 事象 適切 快適
2 施設 出来事 相互 家庭的
3 園舎 事象 適切 系統的
4 施設 事象 相互 計画的
5 保育室 現象 相互 教育的
正解4
まずは、保育所保育指針を1回サラッと読みましょう。頭に入って来ましたか?来ませんよね!ということで、過去問を解きます。問題集は何を使っても構いません。過去問を解きながら保育所保育指針の用語を頭に入れていきます。
仕上げに保育所保育指針をもう一度読みます。こちらのテキストの巻末に保育所保育指針の全文が載っていますが、試験でよく出題される文言は赤字になっており、赤い下敷きで隠すことができます。よく出題される部分を重点的に覚えておきましょう。
事例問題は過去問でコツを掴む
事例問題のコツって、要は慣れなんですね。保育士としてどう行動するべきかを問われるものですが、こういうのっていくら保育所保育指針を暗記しておいても解けるものではないですよね。
コツは過去にどんな問題が出題されて、正解はどれなのかパターンを知っておくことです。正解を選ぶためのコツはこれから書きますので、最後までお読みください。
保育の歴史などの基本的な知識を暗記しておく
保育の歴史などの頻出事項はテキストをよく読んで暗記しておきましょう。キーワードだけ覚えておけば正解できちゃう問題もたくさん出るので、こんな感じでスッポリ頭に入れちゃってください。
ルソー=「エミール」書いた人、消極教育の人
フレーベル=恩物の人
オーベルラン=編み物学校の人
ペスタロッチ=労作教育、直観教授の人
デューイ=実験学校の人
モンテッソーリ=子どもの家を作って感覚教具の人
赤沢鐘美=新潟静修学校託児所を作った人(のちの守孤扶独幼稚保護会)
野口幽香=双葉幼稚園を作った人
「頭に入らないよー」って人は、しつこいけど過去問を解いて。暗記は問題を解くことで覚えていくんです!ユーキャンの過去問題集は解説がかなり丁寧で分かりやすいのでおすすめですよ。
過去問に学ぶ試験問題を解くときのテクニック
最後に、試験のときに知っておくと得をするテクニックをお伝えしていきます。
〇✖問題の「すべて~しなければならない」はだいたい✖
◯✖️問題で「すべて」という言葉が出てきたら、これは✖️だろ!と疑いましょう。なぜなら「例外なくすべて」が当てはまることってあまりないからです。さきほどの過去問を見てみます。
問15 次の文のうち、「保育所保育指針」第4章「保育の計画及び評価」の1「保育の計画」の一部として、不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 施設長、保育士などすべての職員による適切な役割分担と協力体制を整えること。
B 子どもが行う具体的な活動は、生活の中で様々に変化することに留意して、ルールや規範にのっとった活動を展開できるよう必要な援助をすること。
C 子どもの主体的な活動を促すためには、保育士等が多様な関わりを持つことが重要であることを踏まえ、子どもの情緒の安定や発達に必要な豊かな体験が得られるよう援助すること。
D 保育士等は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化などに即して保育の過程を記録するとともに、これらを踏まえ、指導計画に基づく保育の内容の見直しを行い、改善を図ること。
E 一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、すべての子どもについて個別的な計画を作成しなければならない。
(組み合わせ)
1 A B
2 A D
③ B E
4 C D
5 D E
AとEに「すべて」という言葉が含まれているので、最初に✖️を疑うのはこの二つです。Eは✖ですね。
保育所保育指針には、「障害のある子どもの保育については個別的な計画を作成するなど適切な対応を図ること」とありますが、すべての子どもについて個別的な計画を作成しなければならないとは書いていません。
…ということを知らなくても、「すべて~しなければならない」はという強い言い回しは✖と考えていいです。すべての子どもの個別的な計画を立てなきゃならならないなんて大変すぎますよね。常識的に考えてそこまで求めないだろ。ってことで✖と考えられます、
これで答えは3か5の2択にしぼられました。BかDのどちらが間違っているんでしょう?
よく読むと、BとDは全く逆のことを言ってるんですよね。Bは「ルール通りやれ」それに対して、Dは「指導計画に基づく保育を見直せ=柔軟にやれ」です。
こういう場合はBが✖、Dが正解です。保育士はルール通りガッチガチにやるのはダメ。状況に応じた臨機応変な対応が求められているためです。
事例問題は子どもの気持ちになれ
事例問題は過去問で正解のパターンを知っておくのが大事であることはすでに述べました。超端的に言えば、「子どもの気持ちになれ」がコツですね。過去問を見てみましょう。
問14 次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Gちゃん(1歳11か月)の担当保育士は、排泄への対応について日々悩んでいる。今日も食事前のおむつ交換の時、大好きな自転車に乗っているGちゃんに、保育士が「Gちゃんおしっこで出たかな?見せてくれる?」とトイレに誘うと、Gちゃんはいつものように、「いやーだ!」とその自転車に乗ったまま保育士から離れていく。
【設問】
「保育所保育指針」第1章「総則」の(2)「保育の方法」、第2章「子どもの発達」、第3章「保育の内容」の2「保育の実施上の配慮事項」に基づいた保育士の対応として最も適切なものを一つ選びなさい。
1 集中して食事をすることができるように、「この前みたいに、おしっこ出ちゃうよ。今しておこうよ」と言い、おむつを替える。
2 「今は行きたくないの?」と言いながら、「この自動車でトイレの入り口まで行ってみようよ」と誘う。
3 忙しい家庭の事情や保護者が何とか楽になるようにと考え、「いつもいやだって言ってたら、ママが悲しいって言うよ。早く替え
ようよ」と声をかける。
4 Gちゃんの排泄のリズムを表に付けてトイレに誘う時間を決め、その時間通りにトイレに連れていく。
5 みんなそろって食事ができるように「おともだちはみーんな、おむつ替えてるよ。Gちゃんも早く替えようよ」と声をかける。
あなたが子どもだったら、この中のどれを言われたいですか?
1「この前みたいにおしっこ出ちゃうよ」なんて言われたら、素直に言うことを聞けますか?自分の恥ずかしい過去を持ち出されたら、大人だって素直になれませんよね。
3「早く」とか急かされたらいやですよね?そもそも家庭の事情を考えてないで、子どものことを見てあげてくださいよ。
5「お友だちはみーんな替えてるよ」という言い方もちょっとねぇ…。他の子の話されても、私は私だし。
一番言われたいのは2でしょう。まず「トイレに行きたくない」という気持ちを受け止めてほしい。そのうえで「自転車でトイレまで行ってみよう」と言うセリフ。とりあえず大好きな自転車でトイレまで行くだけであれば、行動のハードルが下がります。これがベストな対応と言えましょう。
4保育士に求められているのは臨機応変で柔軟な態度であって、ルール通りに保育することではないので✖️です。
保育所保育指針とか知らなくても、子どもの気持ちになれば答えは分かるんですよ。
もう少し具体的に言えば、事例問題の傾向として、こういう行動はだいたい✖です。
- 強制的にやらせようとする
- 急かす
- 子どもを見ないでルール通りガッチガチにやろうとする
逆にこういう行動はだいたい◯です。
- 無理にやらせようとせず、子どもが主体的に動くように促す
- 待つ
- ルール通りガッチガチにやらないで、子どもによって柔軟に対応をする
「保育原理」に合格のために
参考になりましたでしょうか。最後に、合格するための勉強法と受験テクニックをまとめておきます。
<勉強法>
- 保育所保育指針をマスターせよ。サラッと読む→過去問を解く→もう一回読んで大事な単語を重点的に覚える。
- 事例問題は過去問を解いてコツを掴め。コツは子どもの気持ちになって考えろ。
- 保育の歴史とか頻出事項はキーワードをしっかり暗記しとこう。
<受験テクニック>
- ◯✖️問題の「すべて〜しなければならない」は、だいたい✖️。
- 事例問題のこんな選択肢はだいたい✖️→強制的にやらせようとする、急かす、ルール通りガッチガチにやる。
保育士試験に関する記事はこちらにまとめました。合格のコツや効率的な勉強法まですべて書いたのでぜひ読んでみてくださいね。

